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社会&技術:職業としての<言葉のエンジニア>

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HTMLコーダからのステップアップ先のひとつに、ドキュメント&データベースエンジニアやナレッジエンジニアがあるかもしれません。

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問題:HTMLコーダからのステップアップ先?


ウェブのフロントエンドエンジニアは、おもに次の3つのリソースをあつかいますよね:

開発:JavaScript
設計:CSS
設計:HTML

このうちJSとCSSについては、これらに習熟することによるステップアップ先(進路)が、それなりにみえていたりします:

開発:JavaScript → プログラマ、など
設計:CSS → エディトリアルデザイナ、など

しかしHTMLについては、習熟したとしてその先にどういう職種があるかはあまり考えられていない、ように思えます。

設計:HTML→ ?

これはHTMLの設計に割く仕事量が、JSの開発やCSSの設計にくらべ、それほど大きくないことが要因でしょう。HTMLの言語仕様はJSにくらべそれほど大きくなく、設計や検証についてもCSSほどの難しさはないからです。

対応:HTMLコーダ 〜 知識のエンジニアリングにかかわる仕事


いっぽうこれらのリソースがもとづく領域をみると、それぞれ次に対応しています:

作用>開発:JavaScript
知覚>設計:CSS
知識>設計:HTML

HTMLの設計は意味づけ(セマテンィクス)にかかわる仕事なので、いわゆる<知識>の技術面をあつかう業務になります。そして組織のなかで知識の技術面にかかわる業務は、ドキュメントやデータベース、ナレッジのエンジニアリングです。[※1]

なので、<HTMLに習熟することによるステップアップ先>というなら、次のようなことがいえるかもしれません:

作用>開発:JavaScript → プログラマ、など
知覚>設計:CSS → エディトリアルデザイナ、など
知識>設計:HTML→ ドキュメント&データベースエンジニア、ナレッジエンジニア、など

※1
HTMLの設計は、テキストに書かれた知識をウェブドキュメントのセマテンィクスに合わせる仕事、になります。

効果:企業におけるデータの重要性と知識のエンジニアリング


とくに現代の経営では、<データ>の重要性がとても大きくなっています。

経営者は経営戦略を決めるうえで、データサイエンティストに適切なデータを与える必要があります。広報部門が管理するウェブコンテンツには、リッチリザルトの広まりによって構造化データを付加することが必須になっています。各部門は仕事を効率化するため、プログラマや機械学習のエンジニアに適切なデータを与える必要があります。また組織の内部にも外部にも、コミュニケーションのためにさまざまなメディアに合ったデータ/発行物を提供する必要があります。

これらすべてのデータ/発行物の中核になるのが、構造化されたドキュメント/正規化されたデータベース/推論できるナレッジです

そしてドキュメントやデータベースやナレッジを適切に構造化/正規化/推論できるようにするには、その組織にあった知識の構造(ドメイン・オントロジー)を定める必要があります。さらにそれらドキュメント/データベース/ナレッジから、もとめられるデータや発行物に変換・編集する作業も出てきます。

ドキュメント&データベースエンジニアやナレッジ・エンジニアには、関係するさまざまな職種の人たちと協働しながら、上記の業務をこなしていくことが求められます。なので技術面では、次のようなことがらに習熟している/知見がある必要がありそうです:

ドキュメント/データベースの構造(ツリー構造/関係モデル):XML, RDB
ナレッジの構造(リソース記述/記述論理):RDF, OWL
ドキュメント/データベース/ナレッジの検索と推論:XPath, SQL, SPARQL
ドキュメントの変換(関数型プログラミング):XSLT, Haskell, ...
各種ユーティリテイ作成(手続型プログラミング):sh, PowerShell, JavaScript, Python, ....
変換先の各種フォーマット(各種メディア):TEXT, HTML, CSS, ODF, XSL-FO, PDF, EPUB, SVG, ...
変換先の各種フォーマット(各種CMS/フレームワークのテンプレート):...
変換先の各種フォーマット(リンクトデータ/構造化データ):JSON-LD, Dublin Core, Schema.org, ...
変換先の各種プロトコル:API (Twitter, Facebook, Instagram, ...)
統計/機械学習の知識

効果:言葉のエンジニア


このような仕事は、組織のなかにあるさまざまな概念を、明確な記号(=言葉)として定義し〜運用することになるので、<言葉のエンジニア>といっていいかもしれません。