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物語の構成:内容・行為・言説(現代版)

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現代の物語作品の制作工程で、どのような成果物(中間作成物ふくむ)が作られるのかをみていきます。

物語の構成


現代の物語作品の制作工程で、どのような成果物(中間作成物ふくむ)が作られるのかをみていきますーーとくにいまの時代、大衆向けの物語は、ストーリーからキャラクタへ、ストーリーテリングからテンポへと、その重点がシフトしています。これはメディアミックスの比重が大きくなったことと無縁ではなく、とくにゲームの台頭があるので、この点をふまえます。

まず物語の構成については、ジュネットの区分に沿います:

物語の内容(筋立)
物語の行為(技法)
物語の言説(素材、作品)

物語の内容には、各メディアの作品につながるサブ区分を設けますーーこれらは、各媒体向けに使用するツールに対応しています:

物語の内容(筋立):
意味ネットワーク …… 物語のすべての関係を示したもの(世界観、相関図、人物の内面の心理モデル、……)
オブジェクトモデル → 対応:ゲーム(オープンワールド) …… 関係のなかの特定の範囲を記述したもの(人物の造形(作用〜反応)、……)
フローチャート → 対応:ゲーム(ロールプレイング) …… 関係に時系列を導入したもの(順序・分岐・反復)
ストーリー → 対応:ノベル、ビクチャーブック、コミック、アニメーション …… 分岐から、とくに物語性のある選択肢を選んだもの

物語の行為には、とくに現代では主要な媒体となった、映像メディア作品に対応する中間成果物があります:

物語の行為(技法):
ナラティブ
シナリオ/脚本
ストーリーボード/絵コンテ(カメラアングル+時間経過)
ラフスケッチ/ネーム
サウンドデザイン/音響
ビジュアルデザイン/作画
ストーリーボード/絵コンテ(カメラワーク+時間間隔)=アニマティクス/ビデオコンテ

物語の言説には、成果物としての素材と、それらを取り込んだ最終の作品があります:

物語の言説(素材):
ミュージック、サウンド(効果、台詞)、ビジュアルリソース、アニメーションクリップ
物語の言説(作品):
ゲーム(オープンワールド、ロールプレイング)、ノベル、ビクチャーブック、コミック、アニメーション

なお、これら物語の内容・行為に対して、語り手の選好がどう影響するのかをみるために、その要素を抜き出します:

語り手の選好(物語の内容):
イマジネーション、キャラクタリゼーション、ナラティビティ
語り手の選好(物語の行為):
ストーリーテリング、テンポ、リテラリスタイル、サウンド、ビジュアル、コンポジション、モーション

また、物語の内外での関係を、交渉と選好という側面からみる区分も設けます:

交渉と選好(効率性〜公平性):
物語内(人物〜人物)、物語外(語り手〜聞き手)