DNSサーバの設定で注意すべきことについて、いくつか示します。
グルーレコードの必要性
DNSの分散データベースでは、親ドメインから子ドメインへのリンクを構成するとき、子ドメインのネームサーバのホスト名を指定します:
ここで問題になるのは、子ドメインのネームサーバが、その子ドメインで運用されている場合ですーーDNSには、<ホスト名とIPアドレスの対応は、そのドメインに記述する>、という原則があります。この原則をそのまま適用すると、子ドメインのネームサーバのIPアドレスは、その子ドメインに記述されることになります。[※1]
これではDNSクライアントは、(どこからもそのIPアドレスを辿れないので)子ドメインのネームサーバに行き着くことができません……
これに対応するため、そのような状況では<子ドメインへのネームサーバのIPアドレスは、親ドメインの権威サーバに記述する>、という運用になっていますーーそのために記述するレコードを、グルーレコードと呼んでいます:[※2]
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- 親ドメインのグルーレコードの記述(例):
X.localdomain. IN NS Y.X.localdomain. ; 子ドメインのネームサーバ(ホスト名) Y.X.localdomain. IN A 192.168.1.N ; 子ドメインのネームサーバのIPアドレス
- ※1
- いまはドメインのネームサーバ運用は、プロバイダ側にまかせることも多いため、こういった問題は顕在化しにくくなっているようですが……
- ※2
- これは<ネームサーバをIPアドレスで直接指定できない>という仕様から出てくる問題でもあるので、次のような案が示されたりもします:
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- https://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/2016/proceedings/d3/d3-2-yamaguchi.pdf