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文化&技術:拡張された環境(XR)と創造

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XR技術で、<3Dの創造の経験>がより直観的にできるようになりました。<創造を促す環境>としても、多様な経験を提供してくれるはずです。


動画は15秒ほどの短縮版です(音量もONにしています)。

関連


物理ベースのキャラを、強化学習で自律的に歩かせる:Unity (ML-Agents (Walker)), UnityChan, VRM (VRoid) , DAZ
創造の拡張 〜 現実ではできないことを体験する(ドールハウス)
創造の拡張 〜 現実ではできないことを体験する(ブロック遊び)

特徴:拡張された環境


3Dのモノ(オブジェクト)をあつかうアプリは、いまもデスクトップで操作するものが主流です……とはいえ、デスクトップでの3D操作は直観的とはいえません。シミュレータもさまざまなものがありますが、それらの現象はビデオモニタの<向こう側>に表示されるだけです。

でもXRなら、3Dのオブジェクトを、ねんどやペーパークラフトをあつかうように手先で加工できます。機構的/電子的なさまざまなシミュレーションも、その現象の中に<入り込んで>体験できます。仮想のモノなので、現実の物理法則を超えた表現をもたせることもできます。

XRによって初めて、3Dの創造の経験が直観的にできるようになった、といえます。[※1][※2]


※1
これは2Dの創造環境が、紙やペンタブ(画面はPC上にある)からマルチタッチのタブレットに移行した経緯と同じような状況ですーーマルチタッチのタブレットによって、紙のうえではできなかったさまざまな直観的な体験ができるようになり(描いたモノを自由にコピー&ペーストする、機構の動的なシミュレーションをする)、創造性の幅が広がりました。
※2
しかもこういったさまざまな創造と実験は、リソースの制約が現実にくらべ非常に小さいので、気軽に/安価に行えます。

特徴:XR環境を作る


ただその創造できる環境すら、与えられたものであることに変わりはありません……そもそも<創造できる>というなら、その創造の環境そのものを作れるべきでしょうし。[※1]

しかしXR環境の整備は、それほど難しいものではありません。適切なオーサリングアプリがあれば、XR環境そのものを作ることができます

ゲームを作るためのフレームワークに「Unity 」や「Unreal Engine 」などがありますが、これらを使えば、XR環境の構築をかんたんに行えます。情景を作るためのさまざまなリソース(背景、小物、人物)も豊富に提供され、それらをたがいに作用させるためのプログラミング環境も洗練されています。[※2][※3]


※1
アラン・ケイの構想したダイナブックがそうだったように……ただ携帯端末でも、環境そのものを作り変えていけるようなモノはまだあらわれていませんけどね(デスクトップのワークステーションどまりでした)。
※2
ビジュアルプログラミング言語は、Unreal Engine ではもともと提供されていましたが(Blueprint )、Unity にも正式に導入されました(Bolt→Visual Scripting)。
※3
機械学習ライブラリはUnity のML-Agents が秀逸ですが、Unreal Engine もOpenAI Gymなどとの連携はできるようです。とくに強化学習なら、キャラクタを環境に適応させたり、キャラクタどうしを協力させたり競争させたりといったことを試せます……そうやって成長し自律的に行動するキャラクタと、XR環境でかかわるなら、それはそれで興味深い体験になるかもしれません。

効果:創造を促す環境


創造性にかかわるオルタナティブ教育では、積木やブロック・電子工作やプログラミングの基礎のカリキュラムが多くあります(STEM)。ただそれらは、幼年から小学校高学年までがおもな対象で、中高生になるとすこし退屈になってくるようなものです。

XR+ゲーム制作のフレームワークは、それらの過程を卒業した中高生にも、創造を促す環境を提供してくれるのかもしれません。[※1]


※1
これはもちろん、XR機器の年齢制限(12・13歳以上)という面もあります。