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まとめ:簡易なMRによる造形 〜 仮想デスクトップ+VR+パススルーを使って

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細かい作業を行えるデスクトップ画面と、直観的に操作できるVRーーこれにパススルーを加えることで、簡易なMRによる造形を体験します。


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関連


文化&技術:拡張された環境(XR)と創造
文化&技術:XRの普及とグラス型HMD

背景


3Dによる造形は、現実より多彩になる

3D技術による造形は、現実の制約を受けないので、多彩な表現ができます。

コストがほぼかからないのに(エネルギーをほぼ必要とせず、大量のモノを生成〜複製〜廃棄できる)、考えられるあらゆる操作を実現できるからです(拡大/縮小/変形、ポリゴンによる点・辺・面レベルでの編集、物理法則を無視した結合・分離、……)。

問題


デスクトップ画面越しの造形は直観的ではない

とはいえ現状の3D制作は、ほぼデスクトップ画面越しに行われるので、操作は直観的ではありません。またデスクトップ画面で3Dのモノやキャラを作ると、現実の見え方とは印象が違ってきますーー2次元の画面には、視差がはたらかないためです。

VRによる造形はおおざっぱになりがち

いっぽうVRは立体視なので、その見え方は現実とほぼ同じです。またモノやキャラを現実と同じようにあつかえる要素もあるため、造形もより直観的になりますーー

ただ、いまのVR空間には接触を再現する機能がないため、コントローラやハンドトラキングによる操作を安定させづらい、という問題があります。またVRコントローラは制御がおおざっぱになりがちで、ハンド/フィンガートラッキングも、現実の手や指の精緻な動作におよびませんーー細かい操作や数値・文字の入力は難しくなります。

じっさい、UIをデスクトップ画面からVRに置き換える試みは、どれもうまくいっていないようにみえますーーこれは、[1]あらたな学習コストがかかるうえ、なにより[2]操作を安定させづらい、という根本の問題が解消されないからではないでしょうか。

対応


MRにより、直観的で詳細・精緻な造形ができる

しかしMRなら、デスクトップ画面での操作(キーボード&マウス)とMR空間での操作(コントローラ/ハンドトラキング)を併用できるので、これらの問題を解決することができます。

MRによる造形は、通常はデスクトップ画面からキーボード&マウスを使い、必要に応じて、MRによる立体視とVRコントローラで対象を確認〜操作する、という感じになるでしょうかーーこうすることで、デスクトップの詳細・精緻な操作を継続しつつ、直観的な操作を3D制作に取り入れることができるようになります。

たとえばキャラメイクなら、パラメータの操作はキーボード&マウスで行い、モーフの形状確認は立体視で行う。アニメーション作成なら、タイムラインの操作はキーボード&マウスで行い、ボージングはVRコントローラやハンドトラッキングで操作する、など。

手段:一般


MRによる造形を実現する手段には、3つのパターンがある

MRによる造形の実現には、まずアプリ側が対応することが前提になります(アプリ側で、オブジェクトをXRコントローラで操作できるようにする必要がある)。

その前提で、現状〜将来のMR造形の候補には、次のものがあるでしょうか:

パターン#1:MRデバイスだけを使うーーMRグラスやMRゴーグルなどを使う、ほんらいのやり方です
パターン#2:VRデバイス+アプリ側の仮想デスクトップを使うーーVRゴーグルを使いますが、アプリ側が、仮想デスクトップをVR空間に表示するやり方です(キーボード操作にはブラインドタッチが必要になります)
パターン#3:VRデバイス+XRランタイムの仮想デスクトップを使うーーVRデバイスを使いますが、XRランタイムが、仮想デスクトップをVR空間に表示するやり方です(キーボード操作にはブラインドタッチが必要になります)

手段:個別:パターン#3


以下、上記のパターン#3(XRランタイムが、仮想デスクトップをVR空間に表示するやり方)で、モノやキャラの造形を試したものです:[※1]


※1
仮想デスクトップの描画は、VR映像の描画より優先度を高くするしかないので、VR上のモノやキャラは、どうしても仮想デスクトップからすこし離れた位置に置くことになります(仮想デスクトップの手前に置くと、モノやキャラはみえなくなる)ーーパターン#3にはこの制約があるので、操作が直観的になるとはいえ、やりづらい面があります。


簡易なMRによる造形:Blender, Blender (Freebird XR) , SteamVR, ALVR/ALXR



簡易なMRによるキャラメイクとアニメーション作成:VaM, VaM (Timeline) , SteamVR, ALVR/ALXR



漫画制作を効率化する 〜 3Dによるキャラメイクと、オールインワンの制作過程(仮):Emotion Creators